ソフトバンクのドラフト1位田中正義投手(22=創価大)が21日、福岡・筑後のファーム施設で新人合同自主トレで初めてブルペン入りした。入来祐作3軍投手コーチ(44)は、巨人時代の上原(現カブス)の入団時(99年)以上と絶賛。飯田一弥ブルペン捕手(30)も守護神サファテに匹敵すると証言。24球の自慢の剛球で、周囲を驚かせた。

 誰もいないブルペンの静寂を切り裂く剛速球だった。注目のドラ1右腕田中が、新人合同自主トレ第4クール初日に初のブルペン入り。伸びのある直球で、最速156キロ右腕の片りんを示した。

 「思ったよりもいい感じでした。8割くらいの力で投げた。140キロ台中盤くらいかな」

 他の高卒新人が屋外でキャッチボールを行う中、田中は1人、飯田ブルペン捕手と室内で肩をつくり、ブルペン入りした。捕手を立たせて13球。その後、座らせて11球。計24球を黙々と投げ込んだ。球種は直球、カーブ、フォーク、カットボール。母校創価大で6日に捕手を立たせて投げて以来で、座らせたのは今年初めて。緊張を感じさせない堂々の投げっぷりだった。

 入来3軍投手コーチは「とらえたと思っても差し込まれるような、空振りが取れる球。球界を代表するような投手になりそうな球質だと感じた」とうなった。巨人でプロ1年目に20勝を挙げた上原を例に挙げ「彼のよりもスピード、キレがあって強い。直球だけなら上原よりも全然いい」と絶賛。3軍コーチのため「今日の会話が最初で最後になるんじゃないかな」と、冗談交じりに話した。

 飯田ブルペン捕手も、数日前に球を受けた千賀と比べても「強めで速かった。150キロ近く出ていた」と証言。仕上がりの早さに驚きを隠せなかった。12球団随一の投手陣の球を受けてきた裏方は「初めて受けた時の衝撃はサファテに次ぐものがあった」とも付け加えた。「キレ系で伸びながらズドンとくる。キレと威力の両方があるボールを投げる人はそんなにいない。回転も奇麗。捕った後もミットが押される感じ」。評判以上の直球に目を丸くした。