プロ野球のキャンプ18日目! 担当記者が選んだ「今日の一番」を紹介します。


阪神板山バットで存在感16本柵越え

 阪神2年目板山祐太郎外野手(22)がバットで存在感を出した。ケース打撃では、無死二塁で弾丸ライナーで中前にはじき返し、二塁走者の糸原を生還させた。

 金本監督から直接指導を受けた特打では、直前の坂道ダッシュで下半身がパンパンだったにも関わらず、142スイングして、3連発を含む16本を柵越えさせた。「感覚は良くなってきています」。手応え十分で明るい表情だ。【阪神担当 山川智之】

シート打撃でセーフティーバントを試みる板山祐太郎。手前はダッシュをかける三塁手の大山悠輔(撮影・宮崎幸一)
シート打撃でセーフティーバントを試みる板山祐太郎。手前はダッシュをかける三塁手の大山悠輔(撮影・宮崎幸一)

中日小笠原、術後初捕手座らせ40球

 気合は一番入っていたはずだ。昨年11月に左肘の遊離軟骨除去手術を受けた中日小笠原慎之介投手(19)が18日、沖縄・読谷球場のブルペンで手術後初めて捕手を座らせて40球を投じた。

 「立ち投げとは感覚が違うので慣れるのに時間がかかった。腕も振れて良かった」とホッとした表情で振り返った。慣れてくると「(力加減は)最初は5、6割だったけど、最後は7、8割ぐらい」と自然と力が入った。

 リハビリは順調に進んでいる。森監督は「あいつは急がせない。3月、4月と(2軍で)ゲームをやりながら、5月にこっち(1軍)で十分」と焦らさない方針。小笠原は「3月中に実戦に戻っていきたい」と意気込んだ。【中日担当 宮崎えり子】

キャッチボールする中日小笠原慎之介(撮影者・宮崎えり子)
キャッチボールする中日小笠原慎之介(撮影者・宮崎えり子)

広島安部2安打 三塁争いでアピール

 ラミロ・ペーニャ内野手(31)加入によって激しさを増す三塁争いの渦中にいる、安部友裕内野手(27)が初の対外試合で2安打を放ちアピールした。

 「7番三塁」で先発出場。5回の第2打席で左前打を放つと、8回の第4打席には中前打を記録した。14日の紅白戦に続くマルチにも、本人は2回先頭ステフェン・ロメロ外野手(28=マリナーズ)の当たりを弾いた守備(記録失策)を猛省。「チームの足を引っ張ってしまった。もっと練習しないといけない」。試合後は反省弁を並べた。

 115試合に出場した昨年から着実な成長を見せる安部に、緒方監督も「内容が良かった。昨年本当にいい成績が自信になっている。2回にエラーはあったにせよ、打撃内容は4打席とも良かったと思う。彼もレギュラーをつかむためにどんどんアピールしてもらいたい」と目を細めた。打撃に加え、この日は6回裏から二塁のポジションに就くなど、ユーティリティー性も示した。【広島担当 前原淳】


ヤクルト・オーレンドルフ、抜群の球威

 ヤクルトの新外国人、ロス・オーレンドルフ投手(34=レッズ)が18日、フリー打撃に初登板した。

 193センチの長身から、ゆったりとしたフォームで投げ込む直球は迫力満点。最速143キロをマークした。メジャー通算30勝の最速157キロ右腕は「直球も変化球もいい感じだった。球速より制球が大事」と話した。

 抜群の球威で周囲を驚かせた。井野と雄平に対して、安打性の当たりは1本ずつに抑えた。打席に立った雄平は「143キロでも速さを感じた」。真中監督は「球の重さを感じられた。開幕ローテに入ってもらわないと困るし、早く実戦で見たい」と目を細めた。【ヤクルト担当 鹿野雄太】

フリー打撃に登板し、ワインドアップから投げ込むヤクルトのオーレンドルフ(撮影・鹿野雄太)
フリー打撃に登板し、ワインドアップから投げ込むヤクルトのオーレンドルフ(撮影・鹿野雄太)

巨人育成6位高山が3軍“第1号”

 巨人育成6位の高山竜太朗捕手(21=九産大)が18日、宮崎3軍キャンプのシート打撃で、3軍全体を通じて1号となるホームランを放った。

 育成の土田の内角直球を振り抜き、推定110メートル弾を左翼席に放り込んだ。186センチ、80キロの体格から1秒9前後の二塁送球タイムを記録する強肩捕手。「真っすぐに絞って打ちました。ちょっと詰まったんですけど、結果が全てなので。よかったです」と振り返った。【巨人担当 松本岳志】


ソフトバンク甲斐、猛打好リードに盗塁

 ソフトバンク甲斐拓也捕手(24)が18日に行われた紅白戦で3安打3打点と打撃で猛アピールした。紅白戦2試合目だが、猛打賞も3安打もチーム初。身長170センチと、小柄な捕手が開幕1軍入りへ向け、存在感を示した。

 「打撃でアピールできたのなら良かったです」。バットどころか、マスクをかぶれば先発東浜を好リード。2回をきっちり1安打無失点に抑えた。3回には二盗を試みた牧原を自慢の強肩で刺すなど守りもアピール。元気印はまだまだ止まらない。今キャンプでは積極走塁もチームの1つの方針。3回にはヒット直後に武田に一塁けん制で刺されたが、6回の中前打後にすかさず二塁へ盗塁を決めるハッスルぶりだった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

6回表紅組2死一塁、打者栗原の時、ソフトバンク甲斐は二盗。野手牧原(撮影・栗木一考)
6回表紅組2死一塁、打者栗原の時、ソフトバンク甲斐は二盗。野手牧原(撮影・栗木一考)

日本ハム7位郡、サヨナラ弾!デビュー

 日本ハムのドラフト7位郡拓也捕手(18=帝京)が、プロ初実戦で鮮烈なデビューを飾った。

 18日、沖縄・国頭での紅白戦で、7回に代打で出場。いきなり中越え二塁打を放つと、1-1の9回2死一、二塁。「思い切っていこうと思っていた」と、3年目立田の直球を左中間へ運ぶ、サヨナラ3ラン。土壇場での劇的勝利の主役になった。この日は新人野手3選手が出場する中、頭一つ抜ける猛アピールに成功した。

 リクエストされると一発芸を披露出来る、強心臓の持ち主。杉谷ら、帝京の先輩のムードメーカーの血を受け継ぐ。春季キャンプは2軍主体の国頭組も、ハツラツとした姿で練習に取り組んできた。「ここから、逆にプレッシャーがかかってくる。その期待に応えられるようにしたい」。新戦力の活躍が、きらめいていた。【日本ハム担当 田中彩友美】

紅白戦でサヨナラ3ランを放つ日本ハム郡(撮影・井上学)
紅白戦でサヨナラ3ランを放つ日本ハム郡(撮影・井上学)

オリックス1位山岡、5球で3者凡退

 オリックスのドラフト1位・山岡泰輔投手(21=東京ガス)が実戦デビューを果たした。

 チーム今年初の対外試合となる18日の広島戦(宮崎市清武総合運動公園)に先発。1回を3者凡退に抑えた。田中、菊池といきなり侍ジャパンの2人を迎えたが二ゴロ、中飛。続く堂林も一邪飛に打ち取った。「イメージ通りの投球ができた」。1イニング5球は、この日一番の省エネ投球。福良監督も「もうちょっと見たかったね」と苦笑いするほどだった。【オリックス担当 大池和幸】

広島の練習試合に先発した山岡は1回を無失点に抑える(撮影・奥田泰也)
広島の練習試合に先発した山岡は1回を無失点に抑える(撮影・奥田泰也)

ロッテ紅白戦が順延、選手には恵みの雨

 ロッテは18日、予定されていた紅白戦が雨のため中止となり、19日に順延された。

 伊東勤監督(54)が一番優先したのは、選手のコンディションだった。午前10時のウオーミングアップ開始直前、突然、強い雨が降り始めた。選手はとりあえず室内練習場に移動し、そこでアップを始めた。すぐに、紅白戦の順延が決まった。同時に、練習も少なめ、いわゆる「抜き日」とすることが決まり、早い選手は昼すぎには引き揚げていった。

 伊東監督は「急きょ、抜き日にした。すごい雨だったので。投手もスライド出来るということだった。このクールは(6日間と)長め。どこかで抜こうと思っていたが、いいタイミングだった」と説明した。

 今キャンプは、ここまで晴天に恵まれ、雨の日が1度もなかった。最終クールは6日間と長い。午後は晴れ間がのぞいたが、ケガをしたら元も子もない。選手にとって、恵みの雨だった。【ロッテ担当 古川真弥】

午前の雨により予定されていたロッテ紅白戦は順延となった(撮影・江口和貴)
午前の雨により予定されていたロッテ紅白戦は順延となった(撮影・江口和貴)