広島新井がかつてないキャンプの調整に臨む。広島は20日に宮崎・日南キャンプを打ち上げ、2次キャンプ地の沖縄へ移動した。だがチーム最年長のベテランは日南に残り、主に打ち込みなどに励むことになった。

 主軸の新井が本隊を離れるのは異例。プロ1年目の99年春季キャンプに途中リタイアしたことはあるが、2月の間に温暖な沖縄で調整しないのは、阪神時代も含めてプロ入り初となる。連覇と日本一を目指すチームは1軍キャンプに若手や外国人選手が多く参加。首脳陣の意向もあり、昨季リーグMVPの40歳は独自調整を許可された。

 もっとも新井は「マイペース調整」とは捉えていない。「僕自身も競争と思っている。調整という気持ちはない。しっかり段階を上げてやっていきたい」と表情を引き締めた。日南でもこれまで、別メニュー調整を許されながら、約50メートルの坂道ダッシュや特打、特守に率先して取り組んできた。「しっかりと振り込みであったり、打ち込みであったり、振る力を追い込んでいきたい」。2軍の若手に交じっても、ベテランは変わらず泥にまみれる覚悟でいる。

 沖縄キャンプ終了後に1軍合流予定だが、2軍キャンプで予定される練習試合に出場する可能性もある。「任せてもらうからには責任がある」。地に足を着けて、19年目のシーズンへ突き進んでいく。【前原淳】