ソフトバンクのドラフト1位、田中正義投手(22=創価大)の開幕1軍入りに黄信号がともった。23日の紅白戦でプロ初先発したが、2回で4四球と乱調。3三振は奪ったが、41球のうち、半数以上の21球がボール球だった。

 自慢の直球も制球を欠いた。球速も150キロに届かず、1回塚田を見逃し三振に切った149キロが最速。「真っすぐが思うように投げられなかった。コントロールできなくて…。そこに尽きると思います」。1安打1失点ながら2イニング連続先頭から四球を与えては、首脳陣の表情も曇る。

 工藤監督が「見た通り。苦しんでましたねえ」と言えば、達川ヘッドコーチも「課題あるね。リズムが悪いかな。技術以前のリズム。そこからやのう」と厳しい表情。プロ初登板した19日の紅白戦は最速152キロで2回を無四球、1安打1失点にまとめたが、ここへきて課題が出始めている。

 守備でのスローイング不安など、キャンプ中盤以降はアピール材料がない。達川ヘッドは「(投球時に田中が気にしている)チェックポイントがあれやこれや多い。1つにすればいいのに」と苦言を呈した。今キャンプでの入れ替えは行わない方針だが、課題が解消されなければ、開幕1軍は遠くかすむ。【佐竹英治】