山梨学院の一塁には今秋ドラフト上位候補に挙がる最速152キロの二刀流右腕・菰田陽生(はるき)内野手(3年)がいた。駿台甲府戦で、今春センバツで左手首を骨折して以来となる「4番・一塁」で出場。5回に二塁への悪送球で失策が記録されたが、難なくこなし、打撃でも1安打1得点をマークした。「怖さは全くなかった。グラウンドにずっと出ているのは楽しい」と笑みをこぼした。

順調なリハビリを経て、打者としては6日、投手としては12日に復帰。これで完全復活だ。吉田洸二監督(57)は「菰田の代わりに出場していたのが1年生。チーム内にちょっと心配な雰囲気が漂う。相手も一塁に菰田がいるのと、いないのとでは絶対違う」と、準々決勝での復帰を決めていた。そして、菰田の一塁起用についても「プロの世界から、打者としても関心を持たれてる選手。できれば打つ、守るもさせてやった方が彼の進路にはいい、というのも頭にあった」と、明かした。

主将としての存在感は大きい。先発の渡部瑛太投手(2年)は「自分は左投手なので一塁が見える。(体の)大きさもあると思うんですが、菰田さんが見えると安心する。普段からいい人で信頼もあるので、落ち着きます」と、5回2安打無失点と好投につなげた。

この試合も12球団のNPBスカウトが視察し、その一挙手一投足に注目が集まった。西武前田アマチュアスカウトチーフは「体が魅力。センスのある動きをする」と評価しながらも「一生懸命さもいい」と、取り組む姿勢にも注視した。

試合前、全員で「あと3つ!」と声を合わせ、グラウンドに駆け出した。「残り2試合、絶対に負けられない。ここからはファーストで出ようが、ピッチャーで出ようが関係ない。残り試合に全てをかけていきたい」。チームの大黒柱として、先頭を切って勝利に導く。【保坂淑子】

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