広島の外国人層、スゴ過ぎ! キャンプも大詰めで虎党もそろそろ他球団が気になる頃だ。阪神の開幕カードは昨季セ・リーグ覇者の広島。そこでカープ担当歴もある高原寿夫編集委員が24日、沖縄市で行われた広島とロッテの練習試合に“潜入”。外国人選手の激しい競争が伝わってくる広島の強さを感じてきた。

 いきなり度肝を抜かれた。途中出場の広島メヒア。無死一、二塁でロッテ藤岡の真っすぐをとらえた打球は、まさに弾丸ライナー。左翼席で弾んだ。これで18日オリックス戦、23日韓国KIA戦に続いて3戦連続アーチという。

 すごい新外国人が入ったのか? とお思いの虎党の方々、さにあらず。鳴尾浜に通っている熱心な方はご承知の通り、昨季も在籍していた育成選手だ。スタメンで中前打を放ったバティスタも同じく育成の外国人選手。広島、どれほどいるのか! という印象を受けて仕方がない。

 もちろん怖いエルドレッドは今季もいる。そこに昨季、在籍したルナに代わってペーニャを獲得。そのペーニャもこの日、しぶとく中前打だ。この時期だからまだ結果どうこうではないけれど、外国人の競争というものを強く感じる。

 「うん、まあ、まだ育成だからな。エルドレッドの調子がどうかにもよるけどね」。広島鈴木球団本部長はニヤリ。頼れる長距離砲ながら膝に古傷を抱え、年間通じての活躍は苦しいことを考えれば、スペアもいるということか。実際、緒方監督もメヒアにはかなり期待している様子。外国人投手との兼ね合いもあり、難しい面もあるが、この辺り、連覇を狙う広島はやはり、しっかりしている。

 一方の金本阪神。前日23日に行われたケース打撃でキャンベルは一生懸命、右打ちを見せていた。もちろんキャンプ、練習なので良いのだが、外国人選手に右打ちというのは実戦では正直、考えにくい。シーズンでサインが出ることはないと思うし、そんな試合はやはり勝ちにくいだろう。

 マジメなキャンベルらしく日本野球のスタイルを学ぼうという姿勢で、これはこれでいい。それでも外国人育成選手の火の出るような1発を目の当たりにすると、フリー打撃でもあまり打球が上がらない彼の現状を見て、物足りなく思ってしまうのは事実である。

 いずれにしても開幕まで1カ月と少し。打撃力向上の課題をどうクリアしていくかが大事になってくる。

 ◆広島の外国人野手事情 4番も打ったが終盤右肩を故障したルナと1軍戦不出場のプライディが退団。新たにペーニャを獲得し、実績あるエルドレッドは6年目に突入。育成のメヒアとバティスタは2年目を迎える。