右膝関節炎からの復帰を目指す阪神糸井嘉男外野手(35)は3番中堅でシーズン開幕を迎えそうだ。金本監督が12日の巨人戦後、3番について「そこがハマりやすいのかな。長打力もあるし。足を考えたら、1、2番でしょうし。うちはそんなに長打を望めないから3、4、5番になる」と示唆。オフから1番や2番構想も浮上してきた中、チーム状況も踏まえて3番スタートが有力となった。

 この日は17年初実戦に向け、最後のステップを踏んだ。全体練習中は中堅で打球を追い、フリー打撃では36スイングで柵越え8本。試合前には初めてシートノックにも入った。甲子園の中堅芝生を踏みしめ、守備機会は4度。打球をファンブルする場面もあったが、ノーバウンドで三塁へ“レーザービーム”を披露すると、本拠地がどよめいた。

 グラウンドでは13年WBCでチームメートだった巨人阿部と談笑する場面も。試合開始直前の新入団選手紹介では大歓声も浴びた。今年初のシートノックだっただけに怖さは「あるよ」と言いつつ、状態については「ぼちぼち。いい感じ」。本屋敷トレーナーは「予定通り。天気がいい時にと思っていたので。膝的には(準備段階を)クリアしている」と説明し、実戦解禁にGOサインを出した。

 明日14日、昨年まで在籍したオリックス戦(京セラドーム大阪)に、DHでスタメン出場する見込みだ。虎の糸井が、いよいよデビューする。【佐井陽介】