4連勝で止まった虎に、ドラ5ルーキーが光をもたらした。阪神糸原健斗内野手(24=JX-ENEOS)が、15日の広島戦(甲子園)でプロ初打点となる適時二塁打を放った。14日広島戦から2試合連続でスタメン出場。金本監督の抜てきにバットで応えた。広島岡田の直球をとらえた一打を、指揮官は「チームが一番求めている打撃かも分からんね」と高評価。北條との遊撃争いが激化しそうだ。

 即戦力ルーキーが意地を見せた。5回2死一塁。広島岡田が初球に投じた149キロのストレートを振り抜いた。打球は低いライナーで中堅の右横を抜け、フェンスまで到達。一塁走者の原口が一気に生還し、プロ初打点を記録した。「1打席目に3球三振に終わったので、2打席目はしっかりつなげられるようにしようと思った」。序盤の大量失点で意気消沈していた虎党を沸かせる一打となった。

 プロ初スタメンだった前日14日の広島戦は、3打数無安打2三振。だが、この日も北條ではなく、2試合連続の先発遊撃で起用された。1打席目に広島岡田の直球に押され、3球三振。せっかくもらったチャンスを逃したくない。そんな強い気持ちをバットに込めた。

 普段おだやかな糸原だが、名前を聞くと熱くなる選手がいる。西武のドラフト3位ルーキー・源田壮亮だ。糸原と同じ24歳。チームメートではなかったが、大卒-社会人を経てプロ入りと境遇が似ている。「社会人の時に話したことがあります」と糸原。トヨタ自動車からプロ入りした源田は、堅実な守備を評価され、開幕からスタメンに名を連ねている。「刺激になりますよ。負けたくないですね」。タイプも似た同学年なだけに、活躍が刺激になっている。

 金本監督の抜てきに応える一振りにもなった。「強い。まっすぐに振り負けないね。昨日も加藤の速球をいい当たりした。今、チームが一番求めている打撃かも分からんね」と高く評価。打線は広島岡田の150キロを超える直球に振り負けていたが、糸原が指揮官の求めるスイングを体現した。「結果にこだわりつつも、監督やコーチから教わったことを出せるようにしたい」。努力を重ねて、ゆくゆくはレギュラーの座を奪取する。【山川智之】