9回表2死二塁、一打同点の好機。追い込まれた西武源田は、低めの変化球に何とか食らいついた。緩い二ゴロは、一塁上で間一髪のタイミング。必死の走りから、ヘッドスライディングでなだれ込んだが、アウトで試合が終わった。

 連勝は4でストップ。しかし辻監督は「終わってみればいい試合」とした。開幕から17戦連続安打中の主砲中村が、右足首の炎症で欠場。右下腿(かたい)部炎症で先発を外れている栗山と合わせ“飛車角抜き”を強いられた。加えて先発多和田が初回、四球も絡む形で3失点。4-4の同点に追いついた直後の5回にも、T-岡田に決勝弾を許した。

 それでも代役の奮起で接戦に持ち込んだ。今季は外野で先発が多い外崎が、中村に代わり三塁に入った。これにより先発がめぐってきた木村文が5回に24打席ぶり安打。ベンチを盛り上げ反撃の口火を切った。

 中村に代わる4番に入ったメヒアは「今季ナイトゲーム打率0割8分8厘」「ディクソン相手の通算打率1割2分5厘」のダブル鬼門で、5回2死三塁から同点適時二塁打を放った。

 辻監督は「100%になるまで使わない。ムリさせると後々キツくなる」と中村、栗山を当面先発から外す考えを示した。大黒柱不在の苦境で、将来の主軸と目する選手たちの独り立ちを信じて待つ。【塩畑大輔】