昨季のポストシーズンが、「気合」の原動力になる。CSファイナルS第5戦の先発を託されたが、初回に4点を失う大炎上で降板。続く日本シリーズ第5戦も、2回途中でKOされた。試合後、ロッカーに腰を降ろしたまま、しばらく立ち上がることができなかった。リベンジはマウンドで果たすしかない。今季2戦目の登板となった4月12日ソフトバンク戦以降は、すべて6イニング以上の投球回数。「今年はそういうつもりで練習してきた。その結果」。ピンチでも、先制されても、崩れることはなくなった。

 4月20日オリックス戦の途中から、17イニング連続無失点。「気にはしていないです。1イニングを全力で投げることだけを考えています」。安定感は先発ローテの中でもピカイチ。来週は試合数が5試合と減り、ここ3戦続けて登板してきた木曜日にはゲームがなくなるが、首脳陣は中5日で10日西武戦(札幌ドーム)にまわす見込み。栗山監督も「怖がらずに、しっかりと腕を振る感じが出ている」と安心して送り出している。

 巻き返しの5月。チームは3連勝で滑り出した。加藤は「次も勝てるように頑張ります」。昨年の自分を打破するためにも、必ずCS、日本シリーズの舞台に立つ。【本間翼】