巨人がヤクルトの眠れる“巨人”を起こしてしまった。初回1死二塁。前日16日の初戦でエース菅野が4打数無安打と封じた山田に大竹寛が相対した。低めのチェンジアップ。だがコースがやや真ん中寄りと中前打で先制点を許した。さらに二盗を決められ、雄平に適時打を畳み掛けられた。

 高橋監督は「取られてしまったものは仕方ない。その後を」と切り替えを求めたが、5回10安打4失点でKO。2番手池田も6回、山田に適時打を献上した。試合前までの対戦で21打数1安打と沈黙させていたトリプルスリー男を快打に快足と酔わせてしまった。捕手の小林は「いい打者だけど抑えていかないと。明日話し合います」と対策の再構築を誓った。

 6季ぶり対戦の由規も乗せてしまった。1巡目は150キロ前後の速球とスライダー、2巡目以降はカーブ、フォークも加わり、適度な荒れ球で絞れない。結局、7回まで二塁打2本にとどまり、1度も本塁を踏めなかった。指揮官は「想像以上? これぐらいというのは分かっていた。球のバラツキ? もともと彼の持ち味」と想定通りとした。

 だが今季2度目の完封負けで首位阪神と5・5ゲーム差。前夜のエースと4番の大車輪の活躍による快勝の余韻は消し去られた。【広重竜太郎】