DeNA戸柱が、自分超えを果たす3ランを放った。3回。阪神のミスを突き、勝ち越しに成功した勢いで、2死二、三塁のチャンス。内角のフォークを振り抜き、右翼スタンドへ運んだ。「甲子園は広いし、まさか入ると思わなかったので全力疾走。必死に食らいついていった結果です」と、6点のビッグイニングをつくりだした。1カ月以上白星が遠ざかっていた、同期入団であり駒大の後輩でもある今永を援護した。

 これでプロ1年目で正捕手となった昨季の23打点を超える24打点。2本塁打も並んだ。12球団の捕手の中でも、ダントツの打点力を誇る。ペースでは、12年に打撃2冠をとった巨人阿部よりも早い。2年目の進化の理由は、打席での読みにあるという。「捕手として考えるようにしている。『僕だったらこういう球を要求するな』とか。投手もそうだけど、捕手にも傾向があるので。的中率は半々くらい」。2年目の戸柱には、守備だけでなくバットでも貢献する。

 交流戦は敵地での日本ハム戦から始まる。昨季3連敗を喫した相手だが「野球は一緒。やることは変わらない。バッテリーで試合をつくっていきたい」。2年目の自信を得て、北の大地に乗り込む。【栗田成芳】