楽天先発の則本昂大投手(27)が、今季4勝目を挙げた。8回127球を投げ、6安打無失点。9回を前にベンチで梨田監督、佐藤投手コーチと相談した末、9回は守護神復帰を狙う松井にバトンを渡した。「もちろん先発投手なので、最後まで行きたい気持ちはある。でも、松井も投げた方がいいですし」と自主トレをともにする後輩を気遣った。

 球界を代表する右腕として、相手にも貫禄を見せつけた。5点リードの7回1死走者なしで、迎えた打者は日本ハムドラフト1位の清宮。第1打席を三飛に片付けたが、第2打席はフォークを中前打されていた。前日18日に「高卒の割には頑張っていると思う。でも、彼だけのチームではない」と“ぶった切った”エース。最後は外寄り150キロ直球で見逃し三振と寄せ付けなかった。

 第一線で常に走ってきた。4回を投げ終え、プロ野球史上349人目となる通算1000投球回をクリア。球団では岩隈、田中に次ぐ3番目の記録となった。「ローテーションを守ってきた結果だと思う。いつも投げさせていただき、監督、コーチの皆さんに感謝したいと思う」とかみしめた。5日西武戦で食らった悪夢の3回KOから一転。前回12日オリックス戦では完封、そして8回無失点と波に乗ってきた。チームも3連勝。最下位からの逆襲には則本の力が欠かせない。【栗田尚樹】