中日4点リードの9回。勝利まであとアウト3つから暗転した。マウンドには前人未到の通算1000試合登板まであと10と迫った岩瀬。セーフティーリードかと思われたが、低めの球が微妙判定でボールとされ、熟練の技が狂った。

 先頭阿部に死球。続く亀井は一邪飛に仕留めたが、右打者の山本でも続投し、四球を出した。代打陽岱鋼には右翼へ適時二塁打されて降板。1死二、三塁からバトンを受けたR・マルティネスも勢いを止められず4連打を浴び、今季6度目のサヨナラ負けを喫した。

 7回1失点の好投を見せた藤嶋の2勝目も消滅。岩瀬は責任を背負い「藤嶋をどうしても勝たせてやりたかった。(中継ぎ陣が)頑張っていかないといけない」と悔しさをにじませた。藤嶋は7回無失点だった前回ヤクルト戦でも救援陣の失敗で勝ち星が消えていた。それだけに、プロ2年目の奮闘に応えたかった。

 この日は9回に4点差をひっくり返された。近藤投手コーチは「仕方ないで済まされない。全ては(ブルペンを)預かっているボクの責任だ」と顔色を失っていた。森監督は「ノーコメント。いろいろあるでしょ」と口を閉ざした。今季29度目の逆転負け。ショックの大きい、重い1敗になった。【伊東大介】