巨人が完全に沈黙した。高橋由伸監督(43)がDeNA戦に完敗後、就任3年目で初めて試合後の会見を拒否した。球団ワーストの13連敗を喫しても、優勝を逃しても、欠かさず言葉をつむいでいた。だが、この日の会見場は主を失ったまま。広報担当が会見には応じないと説明し、異様な空気のまま幕を閉じた。

感情を整えられなかったのか。それほど完膚なきまでに、DeNA東に5度目の苦杯を味わわされた。2番に5年ぶりの長野。最近は先発を外れているゲレーロ、陽岱鋼もスタメンに据え、8番まで右打者を並べた。だが左右の対戦打率があまり変わらない東に効果は出なかった。7回2死、マギーの単発ソロで平成2度目の快挙を阻止するのがやっとだった。

選手は言葉を振り絞った。長野は「2番で使ってもらっているのに、出塁できずに申し訳ない」。14日DeNA戦での右手死球後、15打席連続無安打の岡本は「真っすぐが良かった。明日から投手も変わるし、しっかり集中したい」と切り替えた。最下位阪神との1・5ゲーム差は変わらないが、DeNA、中日との差が縮まり、今日20日にも7月8日以来となるBクラス転落の危機だ。村田真ヘッドコーチは「恥ずかしい。あの内容じゃ、監督も話すことがない。見せ場がないんだから。明日も小川といういい投手。何とかしないと」と指揮官の思いを代弁した。【広重竜太郎】