「F4」ならぬ、西武の「L5」が指揮官の心を射抜いた。西武のドラフト5位牧野翔矢捕手(17=遊学館)に14日、まさかの人物から声が飛んだ。

あの名セリフが西武第2球場に響いた。

「まーきのっ!」。

新人合同自主トレの視察に訪れていた西武辻発彦監督(60)が俳優小栗旬のモノマネで呼びかけた。ドラマ「花より男子」で「F4」の1人である小栗が井上真央演じる牧野つくしを呼ぶ、名セリフ。最近ではお笑い芸人おばたのお兄さんのネタとして広がっている。監督直々の言葉に牧野は「花より男子は見たことがあるので、印象強いです。『まーきのっ!』って呼ばれるのはすごくうれしい」と笑みがはじけた。

しなやかで力強い動きが、ときめきを与えた。ノックでは捕球後、力強く伸びる送球を披露。178センチ、77キロとまだ細身ながら、遠投115メートルの強肩を見た指揮官も「牧野はセンスがあるな」とうなずいた。

能登の海で魅力を磨いた。石川・穴水町出身。夏場は海に潜り、タコをモリでついた。生き物を狩る駆け引きを学び、海で泳ぐことで肩甲骨周りの可動域を広げた。「海がきれいなので、友達と素潜りしてました。中1の夏休みからずっと。いい気分転換になるんです」と胸を張る。

当面の目標は体作り。森友哉のように打てる捕手になるため「ケガなくキャンプに行けるように頑張りたい。キャンプで目いっぱいバットを振れるように。とにかく振る力をつけたい」と力を込める。「森さんの背中を見て、1軍に行きたい。まずは2軍で経験を積んでいきたい」。魅力満点の「まーきのっ!」がスター街道を走る準備をじっくり整える。【島根純】