お手上げだった。打線が沈黙した日本ハムは、パ・リーグでもっとも早く自力でのクライマックス・シリーズ(CS)進出の可能性が消えた。

楽天の先発石橋の前に、7回1安打で無失点。栗山英樹監督は「すべて含めて野球はトータルなもの。点を作る形を作ってあげられなかった」。0-1で敗れた前夜に続いて、2失点で踏ん張る投手陣を助けられなかった責任を、自ら背負った。

育成枠からはい上がった右腕に、苦しめられた。1回、先頭の西川が左前打で出塁して以降は、凡打の山を築いて6回まで打者18人と準完全ペース。金子打撃チーフ兼作戦コーチは「勉強しないといけない選手が半分以上いる中で、経験や実績のある選手がカバーしているうちは打線がつながらない」と、あえて元気がない若手たちを叱咤(しった)した。

指揮官のタクトは序盤、チームを救った。2点を先行された後の3回の守り。2死一、二塁のピンチで銀次の打球は左前へ。左翼手の王柏融が打球を処理し二塁へ送球する間に、2走の茂木がホームへ滑り込んだ場面で、すかさずリプレー検証を要求した。結果、得点より先に一走浅村の二塁でのタッチアウトが認められて判定が覆り、追加点を阻止。だが、このファインプレーも、攻撃にはつながらなかった。

借金は7に膨らみ、8月から続く連敗は6に伸びた。残り19試合。栗山監督は「ここからなんでね。全部勝てば何か変わるだろう」。もつれる上位争いに、再び食い込めるか。【中島宙恵】