プロ野球独立リーグ、BCリーグ新潟の橋上秀樹監督(56)が来季、巻き返しを図る。10年ぶり監督復帰の21年は中地区3位。67試合を戦い、22勝42敗3分けで、首位の群馬には20ゲーム差の大差をつけられた。12月3日には新加入選手の入団会見がある。大幅な負け越しに終わったチーム再構築へ、構想を練る指揮官に話を聞いた。【聞き手=涌井幹雄】

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来季は選手強化の方針を変える。21年は全選手を横一線にして指導。同じ指導で、同じ目標設定をさせてきた。しかし来季はカテゴリー分けしてチーム強化、個人能力向上を図る。

橋上監督 育成に主眼を置いた選手と、シーズン後にNPBからドラフト指名されるような選手を色分けして指導したい。高卒選手と大卒選手のトレーニングが同じだと高卒選手はケガをする可能性がある。NPBの指名を高卒は3年後、大卒は1、2年で。それぞれに合った指導、目標設定して強化していきたい。個人の力を上げることはチームの強化にもつながる。

低迷は数字に表れた。チーム防御率5・88は全12チーム中11位で、チーム打率2割7分3厘は同9位。だがシーズン終盤、指揮官は好感触を得ていた。

橋上監督 打撃に関しては少しずつだが手応えを感じながらやってきた。来季は新加入の大卒選手も加わってチーム内競争は激化する。「ポジションをどうしようか」と頭を悩ますところがいくつかある。終盤に光明が見えてきた投手陣も中園大樹(21)と田村颯瀬(19)の若い投手はNPBへ飛躍の年、勝負の年にしなければならない。続く若手の高橋駿(19)と佐藤雄飛(19)の地元選手が着実に成長すれば十分戦える。

コーチ陣は来季継続も、指導体制は若干変わる。稲葉大樹内野手兼野手コーチ(37)は選手によりウエートを置くことになる。

橋上監督 稲葉はできるだけコーチの役割を減らして選手メインにやらせたい。悲願の1000本安打(現933本)を誰より先に取らせたい。出場すれば仕事もしっかりやってくれる。選手としての普段の取り組みも若手の見本になる。

新潟初采配の11年は地区優勝。だが総合コーチだった20年はコロナ禍で思うような指導ができず、10年ぶりに指揮を執った21年は中地区3位に終わった。

橋上監督 これだけ負けたシーズンは指導歴の中では楽天の初年度(05年・勝率2割8分1厘、守備走塁コーチ)くらい。ふがいなく、悔しい思いをした。有望で楽しみな選手が入ってくる。断トツの試合をして失望させてきたすべての人たちを喜ばせたい。

12月3日には新入団選手が会見する。陣容は整う。ゆっくり来季へ動きだす。