<阪神4-1西武>◇27日◇甲子園

 がむしゃらだった。0-1の7回。左中間への当たりで阪神・今岡誠内野手が二塁に頭から滑り込んだ。34歳が見せた気迫に甲子園が大きく沸いた。この一打をきっかけに、打者9人で4点を奪った。

 「安打が出てなかったから、打ちたかった。足が速かったら、格好よかったけどね」と今岡は照れ笑いを浮かべた。定位置はなく、キャンプでは若手と同じ練習メニューを課されたこともあった。今は誰よりも早くグラウンドに現れ、外野を走る姿がしばしば見られる。

 生え抜きの激走に、生え抜きが応える。狩野の送りバントの後、打席には代打桧山。それまで打ちあぐねていた石井一の直球を右前に運ぶ同点打に「今岡の走塁、狩野のバント、シモさん(下柳)の好投。みんなの気持ちが一つになった安打」と振り返った。

 関本の勝ち越し打や新井の犠飛など、その後も攻撃の手を緩めなかった。「みんなでワンチャンスをものにした」と真弓監督の声は自然と弾んでいた。

 [2009年5月27日23時19分]ソーシャルブックマーク