【野球の国から取材メモ:THE

 NEWCOMER大学編】

 今年も注目される即戦力新人がキャンプ球春を迎えた。日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22=早大)は最多4球団の競合の末に、鳴り物入りでプロ入りした。ニッカンスポーツ・コムでは取材メモを紹介します。詳しくは3~7日まで紙面連載をお楽しみに。

 毎年、12人のドラフト1位がプロの門をたたく。有原は4球団競合の末、日本ハムに入団した。今年の即戦力新人ナンバーワンの呼び声も高いが、同じスタートラインに立った存在は当然、意識している。中でも3人のライバルの存在が、有原の発奮材料になっていた。

 話題性では、やや引けを取っているかもしれない。ロッテのドラフト1位田中英祐投手(22=京大)はプロ野球界では異色の秀才キャラ。昨年6月の大学日本代表選考合宿で対談していた。「頭が良すぎて、話していて全然違う感じですね。すごい余裕があって、すごく考えている感じがする」。当時、田中はプロ入りを迷っていたが結果的には有原と同じ道を選んだ。「全然環境が違って、野球をやっていない中であれだけの成績を残しているのは本当にすごい」と生き様に刺激を受けている。

 実力を認め合い、強く意識している。「通算勝利数も、みんな並んでいるんですよ、確か」。東京6大学リーグで対戦してきたオリックス山崎福也投手(22=明大)は同学年トップの通算20勝を挙げた。有原は19勝。もう1人、気になる存在のDeNAのドラフト2位、石田健大投手(22=法大)は18勝。大学時代はほぼ横並びの成績を収めた。「ライバルというかすごい気になる存在です」。

 熱い思いを秘めて、歩み出す。プロ入りが決まってから山崎、石田と激励を交わすことはなかった。「あえて、しなかったです」。広陵の恩師、中井哲之監督(52)や2学年先輩の中田廉投手(24=広島)ら人との出会いが有原を強くさせてきた。深くつながれた人との結び目を目の当たりにした。【田中彩友美】