<オープン戦:ソフトバンク2-3広島>◇8日◇福岡ヤフードーム

 ◆加藤伸一氏

 先発したソフトバンク新垣が広島打線に5回を投げて2失点投球。2つの暴投もあったが、まあ及第点の投球だったと思う。この日の投球で僕が注目したのは、新垣が今季の課題としている「カーブ」だ。初めてバッテリーを組む的山の配球もあったのだろうが、最後までよくカーブを使っていた。5安打中、カーブを打たれたものはない。新垣と言えば、速球とスライダー。打者はそこに狙いをつけているから、緩急のつくカーブは有効だった。ただ、まだ「カーブをきちんと投げなくてはいけない」という思いがあるのか、制球に苦労していたようだ。誤解を恐れずに言えば、ど真ん中に投げるくらいの気楽な気持ちで投げればいいと思う。どうせ打者は新垣のカーブを狙っていないわけだから。

 この日は全体的に制球に苦しんでいたが、カーブを使う効用というのは大きい。ピッチング自体が楽になれば、完投能力も上がる。完投数が増えれば、中継ぎの登板負担も軽減される。去年はシュート習得を目指して断念したが、新しいものにチャレンジする姿勢を持っていることは成長要因だ。開幕投手は杉内に譲るにしても、杉内とともに先発陣の柱として活躍しなければならない。そのあたりは新垣もしっかり自覚しているのだろう。最後までカーブを使い続けた姿に、その意識が表れていたように思う。(日刊スポーツ評論家)