<オープン戦:ソフトバンク2-3広島>◇8日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク新垣渚投手(27)の「夢」は、来年以降に持ち越しとなった。自身初の開幕投手を目指し、今季オープン戦3度目の登板。6日の横浜戦(福岡ヤフードーム)で、ライバル杉内が7回2安打無失点と好投したため、それ以上の内容と結果が求められたが、広島打線を相手に5回5安打2失点。「今日はよくなかったね。いまひとつ球が悪かった」。杉本投手コーチは新垣の投球内容を振り返った後、杉内との開幕投手争いについて「普通に考えたら分かるだろ。おれに言わせるなよ」と勝負が決したことを示唆した。

 立ち上がりから制球に苦しんだ。初回。先頭赤松を4球で片付けたが、続く天谷を四球。後続は連続三振に仕留めたが、23球を要した。2回以降も直球は制球できず、カーブは抜け、決め球のスライダーも思うように操れず。5回まで毎回得点圏に走者を背負い、球数は90球を数えた。「結果を求めたのが力みにつながった。制球も定まらなかった。今日は点数も付けられない」。新垣はガックリ肩を落とし、悔しがった。6日の試合で快投を演じた杉内との差は、歴然だった。

 悪い癖も顔をのぞかせた。力みからリリースポイントがずれ、その影響で暴投も2個記録。2回に許した先制点は、暴投から相手に好機を広げさせたもので、宮崎キャンプの紅白戦から継続してきた無失点記録を11で止める要因となってしまった。「あまり状態がよくない中で、最少失点に抑えられたのはよかったけど、今日の投球だと(開幕投手は)無理ですね」。新垣自身の口からも白旗宣言が飛び出すなど、2月の宮崎キャンプから繰り広げられた開幕投手争いに、ようやくピリオドが打たれた。

 次回はオープン戦最後の先発登板で、15日の横浜戦(横浜)が予定される。シーズンで新垣と杉内を同一カードに並べる可能性は極めて低く、新垣の今季初登板は24日のロッテ戦(福岡ヤフードーム)が最有力。残された時間の中で、プロ6年目へ向けた準備を進める。【石田泰隆】