<オープン戦:中日3-0西武>◇11日◇岡崎

 中日の大学・社会人ドラフト1巡目山内壮馬投手(22=名城大)が、開幕1軍入りする可能性が急浮上した。11日、西武戦の8回からオープン戦初登板。1イニングを3者凡退で抑えて、首脳陣から高い評価を得た。

 地元愛知の星がパーフェクトデビューを飾った。片岡をカットボールで、赤田をチェンジアップで、中島を直球ですべて二ゴロに料理。ベンチに下がる際は荒木から「(登板前に)しっかり守ったるとは言ったけど、3つも打たせなくていいだろ!」とからかわれて、ペコリと頭を下げた。

 「気持ちよく投げられました。四球を出すような情けないピッチングはしたくなかったのでよかった」

 沖縄キャンプ中の2月23日、韓国SKとの練習試合では1回無失点も2四球を出した。キャンプ後は投法をノーワインドアップに変更。6日教育リーグサーパス戦では4回完全投球と調子を上げていた。この日試合を観戦した母広美さん(46)は「顔が引き締まった」とその活躍に目を細めた。

 将来性を期待される「金の卵」だったが、一気に開幕1軍も視野に入った。前日10日にはクルスが右ひじを痛めて中継ぎ陣は手薄な状態。森バッテリーチーフコーチは、ストライク先行の制球力を評価して「今のチーム事情なら右の中継ぎに入り込む余地がある。もう1度(1軍に)呼ぶ。次はもっと厳しい場面で投げさせる」と明言。「開幕1軍になれたらうれしいけど、まだ1回を抑えただけですから」と話す山内が、早くもビッグチャンスを手にした。【益田一弘】