<中日2-7阪神>◇19日◇ナゴヤドーム

 阪神安藤優也投手(30)が何度も瀬戸際で踏みとどまった。立ち上がりからリズムをつかめない。初回。2死後、2四球を与えて一、二塁に走者を置く。和田にフォークをとらえられ、左前に先制適時打を許した。中村紀にも左前打を許し、満塁のピンチを背負ったが、平田を空振り三振に抑え、しのいだ。

 「なんとか最少失点で行けたから良かった。次は無駄な四球をなくして、もっと長く投げられるようにしたい」。初回は30球を要して、2回以降も勝負球を見つけられずに苦しんだ。それでも、5回2失点にまとめ、今季8勝目を挙げた。

 この日、母校の大分雄城台が準決勝で藤蔭と対決した。試合前練習中も、報道陣に戦況を確認。「どうなってます?」。逆転サヨナラ勝利を挙げ、20日に初の甲子園出場を賭けて決勝を戦う。名古屋で見せた粘投は、後輩へのメッセージだ。さあ、勝負の夏がやってきた。08年の開幕投手の意地に賭けて、安藤も虎を栄光へと導く。