中日山本昌投手(42)が、杉下茂氏の持つ球団記録の通算211勝超えを目指す。悲願の200勝達成から一夜明けた5日、名古屋市内のナゴヤ球場でクールダウンを行った。今後の目標について「今年は2ケタ勝ちたい。2ケタ勝ってやめる人もいないでしょうから」と発言。その上で「(杉下氏の)211勝?

 その気持ちがないことはないです」と意欲を示した。

 球団も、新記録に向けて全面バックアップする。伊藤球団代表は「やれるものならやらせてあげたい。目標があることはいいこと。活躍してくれるなら、年齢にこだわりはない。一生投げてもらって構わない」と話した。落合監督は前日4日に「マサがやるというなら来年もいる(選手)。これで安心してもらっちゃ困る」と発言しており、首脳陣もフロントも山本昌の挑戦を見守ることになる。

 この日は喜びをかみしめた。テレビ出演を終えて午前2時30分に帰宅したが「いろいろ考えて眠れなかった」という。朝8時には近所のコンビニで新聞全紙を購入して読んだ。約1時間30分の睡眠をとって午前10時に起床。練習に向かったが、ナゴヤ球場でも祝福の電話が鳴りやまず「携帯のバッテリーが10本ぐらい欲しい」と笑った。祝賀ムードに包まれた山本昌だが「達成感にひたるのは今日まで。次の試合が大切だから」と話した。日本シリーズで初勝利を挙げる目標もあるだけに、早くも気持ちを切り替えていた。【益田一弘】