<広島4-7阪神>◇21日◇広島

 これぞ3番の大仕事だ。広島の夜は鳥谷に始まり、鳥谷に終わった。1回の先制2ランに、9回に相手を突き放す2点適時打で4打点を挙げた。

 「投手も1点だけでなく2点、3点とあれば違うのでね。カウント0-2になってから1球見た。四球でもいいから、どんな形でも1点がほしかった」

 大きな期待を背負ったのは9回だ。2死から代打桧山の二塁打に1、2番が四球を選んで満塁となった。6回裏に1点差まで迫られてからは、毎回のようにピンチだった。抑えのウィリアムスが前日20日に2失点していることもあり、のどから手が出るほど追加点を求めていた。

 押し出し四球もかすめた4球目。コンパクトに振り抜いた打球は中前にはずんだ。2走者を帰した一打は、1回に1死二塁から右翼席に運んだ9号2ラン以上に価値があった。

 「1回はチャンスだったので積極的に打った。勝てる試合をしっかり勝ててよかった」

 19日の広島1戦目でも3安打で4打点を挙げた。この3連戦で8打点。北京で奮闘する新井に代わる3番として、8月は13試合で12打点と結果を残している。

 「打順で自分の打撃は変わらない。ただ3番は、1、2番がチャンスを作ってくれることが多いので、何とか返したいと思う」。一時落ち込んだチームの得点力は、3番鳥谷がしっかり固まって回復した。