西武の渡辺久信監督(43)が23日、北京五輪で守備のミスを連発したG・G・佐藤外野手(30)のショックを考慮し、公式戦早期復帰に慎重な姿勢を見せた。当初は、26日楽天戦(西武ドーム)から復帰させるプランを描いていたが、G・G・佐藤と話し合って決めることになった。指名打者や一時休養なども検討している。なお北京五輪野球の決勝トーナメントのために22、23日と休んでいたペナントレースは、24日に再開される。

 G・G・佐藤の普段のプレーからすれば、ありえないミスの連続だった。初代表による重圧、この2シーズン守ったことのない左翼とはいえ、メダルのかかった北京五輪の準決勝、3位決定戦でいずれも失点につながる3失策。テレビで目の当たりにした渡辺監督は「心の方がかなりやられてると思う」と神妙な面持ちで、G・G・佐藤が精神的に受けたダメージを何よりもまず心配した。

 大舞台で力を発揮できず、傷心で帰国することは想像に難くない。当初、五輪メンバーの中島とともに、1軍に合流する26日楽天戦から先発復帰させる予定も狂った。「中島は大丈夫だけど(G・G・佐藤は)まだ決められない。本人と話し合ってから」。涌井は29日ソフトバンク戦に向けて調整させるが、自責の念と不安を背負い込んだG・G・佐藤だけは、復帰の見通しが立てられない状況だ。

 五輪前の指定席は「5番右翼」だったが、首脳陣は守備の負担を考慮した指名打者や一時的な休養といった選択肢も検討している。「今回は試練。五輪はなかなかできない経験だから」と渡辺監督。チームは五輪期間9勝5敗で、マジック26を点灯させた。代役陣が奮闘しているだけに、G・G・佐藤には焦らず、心をリセットして復帰してほしいと願っている。