<ソフトバンク2-8楽天>◇11日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが単発でしか勝てない。楽天に敗れ、これで7カード連続勝ち越しなし。連勝も8月11、13日に2連勝して以来、約1カ月もない。約5分間の緊急ミーティングを終えた王監督は思わずうなった。「うーん、ホームが遠かったね。こっちの方がヒット数は多いのか」。楽天の13安打に対して、ソフトバンクは毎回の14安打。うち6イニングで先頭打者が出塁した。それでも、スコアは2-8の完敗だった。

 8失点の投手陣以上に、12残塁を記録した打線が低迷の原因だった。1点を追う2回。無死一、三塁と楽天田中を攻略するチャンスをつかみながら、無得点。9日の初戦でも12安打を放ちながら10残塁でわずか1得点、と打線が機能しない。これで9月は2勝6敗。打線は1試合平均2・75得点で、本塁打も松中が3日の日本ハム戦で放ったわずか1本だ。「そういう流れを変えていかないとね。この後は6連戦もあるし、あと19試合、1つ1つが大事な意味を持つ試合になる」。王監督はあまりにも淡泊な攻撃の連続に、危機感をあらわにした。

 楽天戦の対戦成績はこれで9勝9敗となり、首位西武以外に勝ち越しているチームはなくなった。3位日本ハムも敗れ、クライマックスシリーズ進出圏まで0・5ゲーム差は変わらないのがせめてもの救いだった。「とにかく19試合やって、CSに持って行って、そういうことしか考える必要はないんだから」。初回には4番小久保が左足かかとの打撲で途中交代するハプニングも起きた。残り19試合、明るい材料を求める暇はない。【中村泰三】