<巨人6-4阪神>◇19日◇東京ドーム

 悔しいぞ!

 しかし、やり返すぞ!!

 阪神が巨人との天王山初戦に4-6で敗れ、2位には5月10日以来(当時は中日)となる2ゲーム差に迫られた。打線は天敵のグライシンガーから3点を奪い、林が復活2安打、今岡も5号ソロと奮起した。しかし、投手陣が効果的な1発を浴びて撃沈。痛い黒星だが「やり返す」執念は最後まで失わなかった。9回に代打で大きな中飛を放った桧山は言った。「明日勝てばいい」。“もう”ではなく“まだ”2差。20日、阪神が勝てば優勝マジック「12」が再点灯する。

 乾いた打撃音、いい角度で舞い上がった打球が、阪神ファンの大歓声を巻き起こした。センターバックスクリーンに向かい、桧山の打球は伸びた。2点を追う最終回。1死一塁の場面でクルーンの高め速球をはじき返した。しかしフェンス手前で亀井が足を止め、落下する白球をつかむ。今度はあきらめきれないため息に包まれたが、それでも巨人ベンチをあわてさせた。頂上決戦、第1幕。空中戦に敗れて2ゲーム差まで詰め寄られたが、きょう以降につながる反撃を打線がみせたのも事実だった。

 桧山

 毎試合、こうなるのは分かっている。きょうは2-3から見極めができなかった。でも明日、頑張る。明日勝てばいい。

 「代打の神様」対「守護神」の打席で敗れた桧山は、20日の必勝を誓って東京ドームを後にした。言葉通り、この3連戦でひとつ勝てば優勝マジックが再点灯するのは阪神だ。修羅場を経験したベテランはまだ優位な立場にいることを冷静に理解している。だからこそ手に残るスイングの感触よりも、見逃せばボールの球に手を出したことを悔やんだ。どんなに鋭い当たりでも、凡退より四球でつなぐ方がいい。ベテランにそう思わせるほど、この日の阪神ベンチは食らいつく意欲に満ちていた。

 先発安藤が4回までに3失点。阪神がわずか1安打の間に、3点のリードを許した。だが、勢いづく巨人に阪神の野球で抵抗した。5回に7番林の二塁打をきっかけに反撃の1点。6回にも2死から関本、林の連続適時打で2点を返す。阪神戦を得意とし、わざわざ中7日を空けて初戦にぶつけてきたグライシンガーの肝を冷やさせた。

 岡田監督

 だから言うてるやろう。この球場は(何が起こるか)分からんて。何ゲームしているんや、この球場で。痛い失点もあるけど、失敗したことは(本人が)一番分かることだから。今ここで言うてもしょうがない。もうここまで戦って、積み重ねてきたんやから。

 前日19日の移動日に「グライシンガー撃ち」をぶちまけた岡田監督が繰り返した。東京ドームでなら、打ち合いの展開になる。取って取られての、シーソーゲーム。この日は追い越せなかったが残り2戦、食らいつく攻撃を続けることに活路を見いだした。

 「どっしりできんかな…」。最後に岡田監督は本音を吐き出して、バスに乗り込んだ。この日も阪神の投手陣がばたつかず、落ち着いて投げていれば勝てていた。裏を返せば、そういう試合さえやれば勝てる自信がある。先制、そして逃げ切り。今日の第2ラウンドこそ、勢いづく巨人にキバをむいた猛虎の強さを見せつける。【町田達彦】