<楽天2-7ソフトバンク>◇28日◇Kスタ宮城
最下位だけごめん!ソフトバンクの松中信彦内野手(34)が、チームの連敗を7で止める特大の1発を放った。初回。楽天先発一場の直球を完ぺきにとらえ、右中間最深部へと豪快に運び去った。19試合ぶりの25号2ランは、王監督が今季限りでの退任を発表して以降の初アーチ。11日ぶりに白星は王監督の退任発表後初勝利。直接対決を5試合残す5位楽天とのゲーム差を0・5とし、最下位脱出を目指す。
教え通りの一撃に、笑みが止まらなかった。主砲松中の1発がチームを勝利へと導いた。初回。1点を先制し、なおも1死一塁から楽天先発一場の142キロ直球をジャストミート。打球はライナーで、右中間席へと飛び込んだ。「完ぺきでした。文句なしやね」。9月に入って2本目。81打席ぶり1発に、満面の笑みでダイヤモンドを1周した。
「監督に言われて始動を早くした。足を上げるタイミングもね。直球を(自身の方へ)入れすぎないようにしろと言われたから」。入団から一選手としても尊敬し、打撃の極意を教わった王監督の言葉は、何よりも重みがある。ここ数日は30センチ大のゴムボールをまたに挟み打撃スイングの反復練習。左足に体重が乗りすぎる悪癖を矯正した。打撃練習ではフォロースルーを大きくし、球を前でさばく練習を繰り返すなど、スランプ脱出を図っていた。
3連戦無安打に終わった今月18日のオリックス戦後には、夜中0時前にもかかわらず、プロ入り初めて王監督の宿泊部屋を直撃。バットを持参し、約30分、お互いの打撃理論を交わした。「何とか(今年)30本打ちたいんですと。どうしたらもっと打てるか、指導していただいた」。その5日後、王監督が今季限りでの退団を発表。入団から手塩にかけて育ててもらった恩師の心情に理解を示しつつも「こんな成績じゃなかったら。本当に申し訳ない。あとは残りの試合で、その思いを結果で示さないと」と発奮材料とした。
この日の1発で自身の通算打点は997。王監督もホークス監督通算1000勝まであと4勝となった。「何とか両方、達成したいよね」。チームはまだ最下位に屈するが、5位楽天との差は0・5。残り6試合で直接対決は5試合もある。一野球人として、恩師として14年間もお世話になった監督に泥をかぶせないためにも、松中はバットで結果を出すしかない。【石田泰隆】




