<セCS第2ステージ:巨人3-4中日>◇第1戦◇22日◇東京ドーム

 巨人がクルーンで初戦を落とした。セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第2ステージが開幕し、リーグ覇者の巨人が中日に3-4で競り負け、1勝のアドバンテージを追いつかれた。3-3の同点で迎えた9回、守護神マーク・クルーン投手(35)が中村紀洋内野手(35)に痛恨の決勝中前適時打を浴びた。CSでは中日に昨年から4連敗となった。

 頭上を越えていくライナーに、いら立ちを隠せなかった。マウンドのクルーンが叫び声を上げ、大きくジャンプしながら打球の行方を振り返った。同点で迎えた9回表2死一、三塁、センター前にはじき返された一打が、決勝のタイムリーだった。クライマックスシリーズの初戦は、守護神を打ち砕かれ、敗戦は決まった。

 何度も何度も首を振った。打席に中村紀を迎え、ストレートを6球続けた。カウントは2-2。また2度首を振り、選んだ球種はフォークだった。「最初からフォークを投げたかった。キャッチャーが真っすぐを要求したので、首を振ってフォークを投げた。最善の選択。(捕手の実松と)相性が良くないと思われるのは不本意」と話したが、ベンチに帰った直後は、通訳に向かって罵声(ばせい)を浴びせてエキサイト。実松もぶ然とした表情で革手袋を放り投げた。

 バッテリーの呼吸だけでなく、ベンチとの呼吸も合わなかった。10月4日の試合では、同じ中村紀にフォークボールを決勝3ランされていた。

 クルーン

 シーズン中に打たれたが、あれは失投。今日のフォークは悪い球ではなかった。

 実松

 フォークは打たれるかなぁというのはあったので、真っすぐのサインを出しました。首を振ったので、ベンチからサインが出ました。試合後、クルーンと話しました。投げミスもあったとかばってくれました。

 西山バッテリーコーチ

 ベンチの意思が伝わってなかった。前回、打たれているし、選択は難しい。ベンチから指示を出したけど、クルーンは「なんで」というのがあったかもしれない。

 3者とも話のつじつまが微妙にずれているが、実松は直球のサインを出し、クルーンは拒否。ベンチも直球のサインを出したが、再びクルーンが首を振ってフォークを投げたという流れ。中村紀はカウントが追い込まれると、フォークをマークし、直球をカットするスタイル。実松とベンチの作戦が正しかったが、クルーンに意図は伝わっていなかった。結果論であっても、阿部不在の穴が、作戦の徹底につながらなかったのは悔やまれる事実。1勝のアドバンテージはあるが、短期決戦の初戦を落とし、暗い影を残してしまった。【小島信行】