プロ野球の新人選択会議(ドラフト会議)が30日、東京都内のホテルで開催される。4年ぶりに高校生と大学生・社会人が一括開催となった。目玉は高校生スラッガーの東海大相模・大田泰示内野手(3年)で、4球団以上競合の可能性もある。ソフトバンクは、交渉権を得た場合、王貞治最高顧問(68)の直接出馬を切り札に1位指名に臨む。巨人原辰徳監督(50)は「身を清めて左手で引く」と母校の後輩スラッガーどりを宣言した。
大田の周辺調査を綿密に進めてきたソフトバンクが、強行指名に踏み切る。都内のホテルで開かれたスカウト会議では、指名選手のシミュレーションが行われた。「うちは去年くらいから体が大きくて、遠くに飛ばせる選手を取ろうとしている。最近は能力は別として、体が大きくないじゃない」。王最高顧問が認めた1位指名選手は、188センチ、90キロ、高校通算65本塁打の大型スラッガー、大田だった。
不利な形勢は覚悟の上だ。球団の調査でも大田の巨人希望は明らかだった。他球団が指名した場合には、東海大進学、という情報もある。ただ、球団関係者は「本人がどう思っているか。巨人でやりたいのか、プロ野球でやりたいのか。いざ指名されたとき、実際にプレーする本人がどう考えるか」と話し、交渉の余地があると判断したもようだ。何より、ソフトバンクには王氏の直接出馬という切り札があった。
球団としては交渉権を獲得した場合、指名あいさつには秋山新監督とともに、王氏に出席してもらう計画を検討している。王氏は大田がプロ志望届を提出した際に「将来の大砲候補としてほしいよね」と評価していたが、ドラフト前日のこの日も「1日も早く開花して、ファンの前でプレーした方がいい」とラブコールを送り、巨人以外でのプレーをあらためて勧めた。報道陣から大田の両親が王氏のファンであると聞くと「それならぜひ(ソフトバンクに)ね」と、説得への手応えも見せた。
王氏には球団最高顧問、コミッショナー特別顧問に、この日はWBC監督の相談役という肩書も加わった。それでも球団から大田への直接出馬を正式に要請された場合、快諾するとみられる。ダイエー監督に就任した94年オフには、大学進学を表明していた城島(現マリナーズ)を「君を日本を代表する選手に育てる」というせりふで口説き落とした。王氏はドラフト会議には参加しないが、秋山新監督が引くクジの結果を都内で見守る。




