来年3月に開催される野球の国・地域別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督に就任した巨人原辰徳監督(50)が12日、「一致団結」を掲げて大会連覇へのスタートを切った。この日、都内で6人のコーチ同席のもと就任会見。先立って行われた第1回スタッフ会議では第1次候補として48選手(未発表)をリストアップ。経験のある選手だけでなく、伸び盛りのフレッシュなメンバーも数多く選出されたもようだ。また日本代表チームの愛称を「SAMURAI

 JAPAN」とすることも決まった。

 原監督は、ひときわ大きな声で出陣を宣言した。「世界中の野球人が一致団結して最強の日本チームをつくっていく。前回は優勝というこの上ない結果で締めくくられ、今回が第2回ということで当然プレッシャーはかかる。しかし前回同様、目標は世界一です」。

 スタッフ会議では、早速メンバー選考に着手し投手、野手合わせて48人をリストアップした。若返った首脳陣に対応するように、原監督はメンバーの若返りも強く意識。「世代交代という言葉の中で私が要請されたといういきさつもあります。当然、選手も若返る。若い投手にはいきのいい選手が多いし、野手もそうでしょう」。すでに実績のある日本ハム・ダルビッシュはもちろん、最多勝など投手3冠に輝いた楽天岩隈、日本一の西武から涌井、中島らの北京組に加え、急成長を見せた片岡、岸。セ・リーグ首位打者の横浜内川、巨人からは山口、内海、中日高橋、浅尾ら、フレッシュなメンバーの候補入りが有力視される。

 もちろん日本人大リーガーもチームの主力を構成する。マリナーズのイチローや城島、レッドソックス松坂らはメンバー入りが確実。手術明けで復活を目指すヤンキース松井秀ら、来季開幕前にチームを離れることが支障となる選手に関しては、慎重に協議を重ねて判断されるもようだ。

 チームの愛称は「SAMURAI

 JAPAN」と決まった。すでに男子ホッケー日本代表が「さむらいジャパン」を使用しているが、加藤コミッショナーは「双方の代表が親しまれ、活躍できるように協力、応援をお願いしたい」と呼びかけた。

 原監督

 日本代表を象徴する、素晴らしい言葉。日本野球の素晴らしさは、礼に始まり礼に終わるという武士道が入っていること。勝ち負けにはこだわりますが、武士道につながる戦い方をしていきたい。

 リストアップされた48選手には、球団などを通じて即座に候補入りの通達がなされた。NPB所属選手には21日に都内で行われるプロ野球コンベンションで出場の意思確認を行い、大リーグ所属選手には大リーグ機構を通じて同様の作業が行われる。それらをもとに来年1月20日に暫定ロースター45人を発表。2月15日集合の宮崎キャンプには30人強の選手を招集し、2月25日に最終ロースターの28人を決定する。世界一連覇への戦いが、日本シリーズを終えたばかりの原監督を中心に急ピッチでスタートした。【大塚仁】