09年は和製4番!

 中日落合博満監督(55)が5日、新年第一声で今季構想を語った。ウッズの退団で空いた4番打者について、新外国人トニ・ブランコ内野手(28)は「ない」と断言。候補に和田、森野、若手野手ら日本人選手をあげた。監督就任初年度でリーグ優勝した04年以来の「和製4番」でV奪回を狙う。

 年末年始を「落合博満野球記念館」がある和歌山県東牟婁郡太地町で過ごした落合監督はこの日、名古屋市内の自宅に戻った。ウッズ、中村紀の大砲2人が抜けた4番に座るのはだれか?

 指揮官はすでに明確なビジョンを描いていた。

 「(新外国人)ブランコの4番?

 それはない。あとはみんなで競争すればいいじゃない」

 ドミニカ共和国のウインターリーグで3位となる7本塁打を放ったブランコは、ウッズに代わる4番候補とみられていたが、構想外だった。代わりに指揮官が候補としたのは和田、森野、そして新井、福田、中村公ら若手野手陣だった。長打力なら李も和田、森野に引けを取らないが、先頭打者を好む李を4番で起用する可能性は限りなく低い。日本人選手が開幕4番となれば落合監督自身が務めた93年以降は04年の福留以来2人目となる。その裏には4番に頼らない今季の野球スタイルが見える。

 「4番じゃなくて、4番目でいいんじゃないかな。今年はおもしろいよ。オレが動かなきゃどうしようもないんだからな」。

 監督就任1年目でリーグ優勝を飾った04年も4番打者を固定しなかった。開幕4番を福留に任せたが、福留がアテネ五輪や故障で不在時は立浪、アレックスを起用。3人の本塁打数は49本で06年のウッズ1人(47本)とほぼ同じ。それでも一発に頼らず、進塁打、機動力、采配を駆使して「1点」を取る野球で世間をあっと言わせた。ここ4年間はウッズを4番に固定していたためオレ流采配の出番も減っていたが、再び激しくタクトを振る決意だ。

 「5年かけて最高傑作をつくったんだ。それが木っ端みじんに空中分解した。だったら、またイチから作り上げればいいじゃないか」。ウッズ、中村紀と大砲を擁した5年目の昨季は落合政権最悪の3位に終わった。5年ぶりの「和製4番」は落合野球にとっての原点回帰を意味している。【鈴木忠平】

 [2009年1月6日12時35分

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