阪神金本知憲外野手(40)が8日、京都市上京区の京都府立医科大を訪問し、動体視力を維持向上させる最新システムを初めて使用した。シンガポール空軍も使用するプログラムを改良したもの。パソコンの画像がゴーグルに映し出され、動きにマウスで反応することで動体視力に働きかける脳が鍛えられるという。持ち運び可能にしたのは全世界で初。実際にゴーグルをはめた金本も「おもしろそうだね」と、好感触を口にしたという。

 金本のアンチエージングをサポートし、同システムの共同開発にたずさわった吉川敏一教授(61)は「空軍パイロットが見るジェット機は音速。野球のボールはたかだか150キロ。ボールの縫い目が見えるという人もいるが、本当にそうなる可能性もあるんじゃないか」と話した。ホームラン増に関しても「素人考えだが、そうなると思っている」。金本の自己記録40本塁打(05年)の更新サポートに自信を見せた。

 バージョンアップさせた本体を1月中に本人のもとに届ける。1日1回30分程度の使用でキャンプ中も継続。約1カ月単位で測定数値と実際にボールを見た本人の感覚の変化を見て、効果を確認していく。

 この日、計測した動体視力のデータの詳細は非公開だったが、やはり良好だったという。それでも動体視力の衰えから引退に追い込まれる選手もいるだけに「元気でいる限りは長くグラウンドに立っていたい」という、鉄人の力強い味方になりそうだ。【片山善弘】

 [2009年1月9日10時30分

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