昨年フィリーズを退団した井口資仁内野手(34)が20日、ロッテと正式契約を結んだ。年俸1億8000万円プラス出来高の3年契約最大6億円(推定)の大型契約で合意した。背番号は落合、初芝ら右の強打者が背負った「6」に決定し、25日に入団会見を行う。04年以来5年ぶり日本球界復帰となる井口は「ロッテの顔」として、プレーだけでなくロッテCM出演やスポンサー獲得など広告営業マンとしてもチームを盛り上げるつもりだ。

 ロッテ井口が誕生した。この日、井口の代理人が千葉市内の球団事務所を訪れ、瀬戸山球団社長、石川副代表と3人で最終交渉を行い、3年最大6億円でサインを交わした。「ポジション確約」にこだわってきた井口の要望通り、起用法にかかわる条項も盛り込まれた。さらに米国永住権を維持するために年1回の渡米、子供の学校を紹介するなど家族へのバックアップも約束された。井口は「今回の選択をさせていただいた最大の理由はロッテが一番熱心に誘ってくれたからです。偉大な背番号に恥じないプレーをできるように頑張ります」と話した。

 日米複数球団からオファーがあったが、入団の決め手となったのは破格のVIP契約に加え、ロッテナインからのラブコールだった。小宮山、清水、小林宏ら主力から「ぜひ一緒にプレーしよう」と電話があり、やりがいを感じたという。「新人に戻ったつもりで一からやるつもり。全試合出場を目指します」と意気込みを語った。メジャー1年目のWソックス時代に日本人野手として初めてワールドチャンピオンに導いた実力で、攻守の核としてチームを引っ張るつもりだ。

 グラウンド外では“広告営業マン”としての役割も買って出る。瀬戸山球団社長は「うちに来るなら営業もやってもらいたいね。本人もやる気になってるよ。看板を取ってきたり、弁当やユニホームとかグッズ販売もあるしね」と笑顔で話した。外野スタンド上部の看板は年間で平均約4000万円だが、井口効果で新規スポンサーを獲得したいところ。東京ドームの長嶋終身名誉監督の看板のように、千葉マリンに井口の特大顔入り看板が登場するかもしれない。さらにロッテCMやテレビ出演など広告塔的役割もこなすつもりだ。これまでチームの顔だったバレンタイン監督が最終年を迎えるロッテにとって、救世主となりそうだ。【鳥谷越直子】

 [2009年1月21日8時35分

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