どげんかせんといかん!

 11年春から沖縄・那覇を第2キャンプ地にすると発表した巨人が59年春以来、50年間にわたりキャンプを行ってきた宮崎の東国原英夫知事(51)が29日、従来通り全期間での宮崎キャンプ続行を熱望した。宮崎を全国に売り出した名物知事が、巨人引き留めや宮崎でのキャンプからプロ野球を盛り上げる5つのマニフェストを明かした。

 危機感は相当だった。「痛いですよ。軸足は宮崎で、オープン戦あたりで主力が沖縄に行くと聞いてますが、どうなるか。ぜひ、これまでどおり宮崎でキャンプをしてほしい」と訴えた。宮崎県によると、各スポーツ団体が08年春キャンプで同県に与えた経済効果は計155億円。巨人の割合は不明だが、一部でも沖縄に移れば損失は数億円規模のはず。引き留めへ、さらに他球団も含めたキャンプ地宮崎の盛り上げへ、知事のアイデアが飛び出した。

 (1)球団誘致

 沖縄キャンプの球団は多く、練習試合が組みやすい。ならばと、対抗策を掲げた。「沖縄から2、3球団をこっちに持ってくる」。他県との併用も入れ、今春の宮崎キャンプは5球団。9球団の沖縄に“引き抜き”を掛け、野球王国を作る。県内野球施設の整備に意欲を示した。

 (2)セグウェイ

 巨人キャンプ地の宮崎県総合運動公園は南北約3キロで、練習場間の移動がネック。「セグウェイは、域内なら道交法上も大丈夫。僕も乗ったけど、安全ですよ」と、アメリカ生まれの電動立ち乗り二輪車を選手に貸し出す。

 (3)知事賞

 活躍した選手に宮崎の名産をプレゼント。「各リーグに1人か、宮崎でキャンプしている方に贈るか。整理します」。

 (4)走る広告塔

 マラソンが趣味の知事。「宮崎でキャンプをしている球団のユニホームをつないで走っても面白い」。

 (5)ジャイアンツVロード

 巨人の宿舎裏にある遊歩道「トロピカルロード」の名称を変える。地元の観光業関係者の案だが「ぜひ考えたい」と乗り気だ。

 今月21日で就任2年を迎えた。くしくも、任期が終わる2年後に沖縄キャンプが始まる。「巨人といえば宮崎。宮崎といえば巨人。50年間の伝統があります」と力を込めた。残り任期でも、キャンプ地宮崎の発展に突き進む。【古川真弥】

 [2009年1月30日8時32分

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