中日和田一浩外野手(36)が史上92人目の通算200本塁打を達成した。2-2の9回1死一塁。巨人4番手豊田のカウント1-2からの4球目を、130メートル先の左翼スタンドにたたき込んだ。7号2ラン。悠々とベースを1周し、ベンチ前で受け取った花束を控えめに掲げた。「抜けたフォークです」と話した。

 和田ならではの一発だった。相手は西武時代の同僚豊田。守護神としてバッタバッタと三振を奪う姿を、信頼を込めて外野から見守ってきた。勝負球はまっすぐかフォーク。和田が中日に移籍した昨年からの対戦は4打数2安打。力まないよう自らを戒め、左足を上げる独特の構えで相手の手元を狂わせた。

 これでセ・リーグ本塁打トップの金本に1本差と迫った。それでも「状態は悪いです」とそっけない。ひそかに目指しているのが過去の打撃3部門の自己記録を更新すること。03年の打率3割4分6厘、06年の95打点、そして02年の33本塁打を更新するため、オープンスタンスをスクエア気味にするなど打撃改造に取り組んできた。このくらいで満足はできない。

 勝ち越し2ランで試合を決めたはずだったが、その裏にサヨナラ負け。喜びは一気に冷めた。「200号?

 そこを目指していたわけじゃない。そんなに気にする数字じゃないです。どれが1番というホームランもない」。満足することを知らない脅威の5番打者は、26日の第3戦に照準を切り替えた。【村野

 森】

 [2009年4月26日11時58分

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