<巨人5-2ロッテ>◇20日◇東京ドーム
想定外の状況でも、越智は越智だった。5-1とリードした8回。マウンドに17試合連続無失点中だった山口が向かった。悠々逃げ切り、のはずが、まさかの3連打。1点返されなおも無死一、二塁で出番が来た。越智大祐投手(25)は普段通り目深に帽子をかぶり打者をにらんだ。相手は怖い井口だった。
初球。外角低めへ、ストライクからボールになるフォークボールを落とした。「引っかけてくれないか」との思惑通り三ゴロ併殺に仕留めた。続く里崎への初球は厳しい内角148キロでボテボテの三ゴロ。2球で危機を脱しチームの3連勝を引き寄せた。しびれる場面の二人三脚は今に始まったことではない。「誰でも打たれることはある。ぐっさん(山口)をカバーしようと。持ちつ持たれつですよ」と優しかった。
剛球とは正反対の繊細なハートが根底に流れる。昨年の実績から、キャンプから1軍扱いを。登板機会のないオープン戦はチームに帯同せず調整をある程度任されたが、この待遇を良しとしなかった。
越智
不安で不安で仕方がない。たった1年やったからって…。(故障などで)ファームに2年いたボクは、まだ1軍の選手じゃない。立場を確保しなくてはいけない選手だから。
自身のスタイルを「粗削りな(オリオールズ)上原さん」と表現する。下半身を突っ張らせ一気に上体をかぶせる。背筋の疲労が抜けないことも一抹の不安だった。調整法をトレーニングコーチに尋ね地道に心配を消した。WBCから帰った原監督は「越智は大丈夫。全然、てんぐになってない」。危機感が変わらぬパフォーマンスを支える。
戦線離脱したクルーンから、粋な言葉をもらった。「すまないな。でも大丈夫。立派な(抑えの)経験があるから」。7セーブのうち、この日を含め回をまたいだセーブが3セーブ目。堂々と、謙虚に。ゲーム終盤に居座る。【宮下敬至】
[2009年6月21日8時17分
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