<中日3-4巨人>◇3日◇ナゴヤドーム

 ウッズ超えだ!

 中日トニ・ブランコ内野手(28)が6回、一時は同点となる23号2ランを放った。リーグ69試合目での23本は、06年ウッズの球団のシーズン最多本塁打記録47本を上回る48本ペース。驚異のパワーでファン、チームメートの信頼を勝ち取った新4番が、前任者を超えるほどの活躍を見せている。試合は8回に勝ち越されて惜敗。8連勝の後に2連敗となったが、頼れるB砲がいれば首位追撃ムードは消えない。

 打球は加速しながらセンターへ伸びた。2点を追う6回2死三塁、ブランコが巨人先発ゴンザレスの内角球をとらえた。ファンや仲間の願いを乗せた打球は中堅左へ突き刺さった。起死回生の同点2ラン。今季最多3万7000人を飲み込んだドームが揺れた。

 「少しつまったけれど、よく飛んでくれたよ」。

 スタジアムの雰囲気を一変させ、ゴンザレスに抑えこまれていた打線を奮い立たせた。それだけではない。リーグ本塁打王独走の23号は特別な意味を持っていた。69試合目での23本はシーズンに換算すると48本ペース。球団のシーズン最多本塁打記録となっている06年ウッズの47本を上まわるハイ・ペースだ。

 タイロン・ウッズ-。ブランコの前任者は日本での6年間、本塁打王を3度獲得した。落合中日を優勝、日本一に導いた。昨季終了後にウッズが退団すると、球団は後釜としてアメリカ2Aでプレーするブランコと契約した。推定年俸2700万円はウッズの20分の1以下にもかかわらず、同等の活躍を期待されてきた。

 それでも驚異のパワーと順応性を持つブランコは1年目から前任者に劣らない4番であることを証明してきた。落合監督は独特の視点でウッズとの差を表現する。「よく動いてくれるし、飛びついてくれるよ。去年までは穴が開いていた。(一塁が)ウッズだったら、今の4、5倍は打球が抜けているだろう」。ブランコはこの日も9回、一、二塁間のヒット性の当たりに飛びつく好守を見せた。指揮官は打撃だけでなく、守備での献身も兼ね備えるところに「ウッズ以上」の評価を与えている。

 試合はその後、8回に3番手小林正が勝ち越しソロを浴びて敗れた。直接対決はこれで4連敗。大事な3連戦初戦を落とした。8連勝の後に2連敗と足踏み状態となった。何より7・5ゲーム差と巨人の背中が遠のいた。それでもブランコの同点弾を目撃した竜党の足取りはどこか軽かった。首位追撃の道はまた仕切り直せばいい。頼れる4番、ブランコの1発が再出発の合図だ。【鈴木忠平】

 [2009年7月4日11時28分

 紙面から]ソーシャルブックマーク