<楽天8-3ロッテ>◇9日◇Kスタ宮城

 楽天福盛和男投手(32)が日本球界復帰初勝利を挙げた。6回無死一、二塁のピンチで登板し、3人をきっちり抑える好リリーフ。7回も無失点で切り抜け、07年7月11日以来となる白星を挙げた。守護神も務めていた男が、8連敗中だったチームの文字通り救世主となった。

 顔色ひとつ変えずにねじ伏せた。前日、押し出し四球などで復帰初登板を飾れなかったが、強心臓を買われ、厳しい場面を任された。「昨日失敗したのに、使ってもらった。期待してくれていることだと思うし、ありがたい」。強気の投球は、味方打線爆発の呼び水にもなった。

 米国の現実は厳しいものだった。今季はキャンプイン直後に「来季の契約をするつもりがない。トレード先を探しておく」というレンジャーズの意向が漏れ伝わってきたという。早々に戦力外のレッテルを張られ、キャンプが終わっても移籍先は見つからない。しかも、3Aにも2Aにも、どこにも所属先を与えられなかった。5月に国際電話で、日本の知人に「アメリカにまで来て、ほされているんです」とボヤいていた。

 公式なリーグではないが、アリゾナで若手が集まるリーグに参加。日本に帰る前の2カ月間は1週間に3回はそこで登板してきたという。気温40度の中、体調と気力だけはキープしてきた。それも、すべてはこの日からのプレーのためだ。

 野村監督に74歳初勝利をプレゼントし「戻ってくるまでいろいろありましたから、初勝利も何かの縁を感じますね」。シーズン72試合目の折り返し。恩返しのタイミングは、これからまだまだたくさんある。【小松正明】

 [2009年7月10日8時34分

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