<中日3-0広島>◇10日◇ナゴヤドーム

 1490日(約4年1カ月)ぶりの白星の味だった。今季中日に加入した河原純一投手(36)が初勝利。チェン、浅尾の後を受けて登板した延長10回、1死一、二塁のピンチを招いたが、赤松をフォークで併殺打に仕留め、直後のブランコのサヨナラ3ランを呼び込んだ。

 「皆のおかげで勝ち星をいただけた。とにかくチームが勝てたことがなによりうれしい」と喜びをかみしめた。サヨナラの瞬間を肩のアイシング中で見られなかったが、ブランコが生還すると、マウンド上で見せていたトレードマークのポーカーフェースを崩し、笑顔で力強く握手を交わした。

 94年にドラフト1位で巨人に入団。先発として活躍し、02年には守護神として日本一に貢献したものの、05年にトレードで西武に移籍すると、その後は2勝しか挙げられなかった。07年オフに戦力外通告を受けた。08年は野球浪人として母校駒大で背番号のないユニホームで学生に交じりながら練習を続けた。そして昨年11月に中日にテスト入団。プロ野球界で天国と地獄を存分に味わった36歳が、西武時代の05年6月11日の巨人戦以来、4年ぶりとなるプロ28勝目をつかみ、再び花を咲かせた。【福岡吉央】

 [2009年7月11日8時21分

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