<中日4-3広島>◇20日◇ナゴヤドーム

 落合中日が止まらない。広島戦、2-2で迎えた8回に1点を勝ち越されたが、その裏に和田一浩外野手(37)のタイムリーと相手暴投で4-3と逆転して、広島戦9連勝を飾った。チームは6連勝で首位巨人にはついに2・5ゲーム差まで接近した。

 ドーン!

 ドーン!

 ドドーン!

 まだ試合の余韻が残るナゴヤドームに50発の花火が打ち上げられた。「ドーム夏祭り」と銘打たれたイベントは劇的な逆転勝利で大成功だった。

 同点の8回、セットアッパー浅尾が2-3と勝ち越された。だが、だれも敗北など受け入れなかった。その裏、広島2番手シュルツから井端が右前打で出ると、2死一、三塁となって打席に和田が入った。

 「接戦だから、こういう時は必ずもう1度チャンスがくると思って準備していた」。

 初球の152キロ直球を振り抜いた。打球はバウンドして投手の頭上を越えた。抜けろ-。祈りがこもった打球は相手のグラブの先をかすめてセンターへ抜けていった。同点だ。続く代打立浪が四球を選んで満塁とすると、小池の打席で、なんとシュルツが変化球をワンバウンドの暴投。捕手会沢が大きく前にはじいた。この間に三塁走者森野が決勝のホームを駆け抜けた。

 「よく追いついた?

 だれが見てもわかるだろう」。落合監督はまだ余裕だが、5月、最大9ゲーム差まで遠のいた首位巨人が今は2・5差にいる。あと2試合残る前半戦を終えれば、球宴明けにはいきなり敵地での巨人3連戦。首位奪取がいよいよ現実味を帯びてきた。【鈴木忠平】

 [2009年7月21日8時47分

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