<中日4-3広島>◇20日◇ナゴヤドーム

 守護神不在に燃えた!

 中日のセットアッパー浅尾拓也投手(24)が8回からの2イニングを1失点に抑え、今季6勝目を手にした。同点の8回に登場。2死一、二塁から代打嶋に右翼へ勝ち越し二塁打を許したが、その裏味方が2点を取り逆転。本来なら岩瀬が出てくる9回も続投し、最後は2死一塁から4番栗原を150キロの内角球で右飛に打ち取った。「野手の方に取り返していただいて感謝です」と苦笑いした。

 緊急事態だった。クローザー岩瀬が試合終了前に早退していた。前日19日の横浜戦(横浜)で苦しみながら26セーブ目をマーク。「(球宴休みまで)あと3試合がんばります」と話していたが、この日は試合前からおかしかった。キャッチボールは通常通りこなしたが、投げる距離が伸びるとワンバウンドでスローイング。出場選手登録は抹消されておらず深刻な事態ではないとみられるが、何らかの故障が発生した可能性はある。すでに36試合に登板しており、疲労がたまっていてもおかしくない。

 ここまで落合竜の快進撃を支えてきたのが、浅尾-岩瀬のAIコンビだ。開幕投手の浅尾がリリーフに転向してから、2人が登板すれば18勝1敗1分。終盤での絶対的な安定感を誇ってきた。リリーフが信頼できることで先発陣が先を考えずに投げられ、相乗効果も生まれていた。守護神が離脱となれば一大事だ。

 落合監督は岩瀬の故障を完全否定した。「台所が苦しかった?

 それはない。いつでも投げる準備はしていた。浅尾は自分が1点取られたのに2点取ってもらって、岩瀬が抑えて、それで勝ち星がついても何も残らない。自分で投げ切って勝ち投手になったほうが明日につながる」。会見の間、ずっと明るい表情だった。岩瀬は何事もなく戻ってくるのか?

 今後が注目される。【村野

 森】

 [2009年7月21日10時21分

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