<ヤクルト3-7巨人>◇22日◇神宮
巨人が難敵を攻略した。これまで打率1割5分7厘に抑えられていたヤクルト由規投手(19)を5回11安打6得点と打ち崩して勝った。1軍昇格したばかりの脇谷亮太内野手(27)が4回に勝ち越し打を放てば、5回には坂本勇人内野手(20)の15号ソロから3点、3番復帰の小笠原道大内野手(35)も2安打するなど若手からベテランまで一丸となってKOした。2位中日が敗れ、ゲーム差を再び2・5に広げた。
5回終了後、神宮の杜(もり)に300発のごう音がとどろいた。夏空を彩った花火を、三塁側ベンチ前の巨人ナインは気持ちよさそうに見上げていた。その直前までに甲高い打球音を11回も鳴らし、ヤクルト由規のKOに成功していた。試合の大勢を決めたから、風流を感じる余裕があった。
この試合まで、由規の巨人戦被打率は1割5分7厘だった。臆(おく)せずに150キロ台の直球を放り込んでくる19歳に押され気味だった。だがプロ入り2年目の青年に何度も力で封じ込まれるほど、この打線はヤワではなかった。
木っ端みじんに由規を砕く。原監督がしたためたメンバー表に、決意がぎっしりと詰まっていた。直球に強い脇谷をこの日1軍に呼び、即スタメン起用した。左足痛で2試合スタメン落ちした小笠原を3番三塁へ。阿部に一塁を守らせ超攻撃的なオーダーを組んだ。
主将の阿部が「きのうはひどい試合をしちゃったから、絶対にやり返すぞ!」とハッパをかけ気合を注入。各打者がファーストストライクから打って出た。3回にグライシンガーの適時打で同点。そして4回、由規攻略に成功した。
連打で1死満塁の好機。脇谷がこの日由規の最速、153キロの内角直球に反応した。一、二塁間のど真ん中を割る勝ち越し適時打を「体が勝手に反応した」と涼しい顔で振り返ったが、実は、左足ねん挫がまだ完治していなかった。「テーピングをぐるんぐるんにしてます。でも痛いとか言ってる場合でもないでしょ」。能力でも闘争心でも相手より上だった。
ダメを押したのは坂本だった。5回の先頭打者。初球を左翼席へ運ぶ15号ソロで、由規の戦意を刈り取った。「思い切っていこう、と。年が近いし、意識しないといえばウソになる」。試合前の打撃練習で、ケージから体がはみ出るくらい、約2メートルも前に出て打った。創意工夫とプライド。こちらも相手より上だった。
由規から6点。作戦を完遂した原監督は「点の取り方が良かった。由規?
特に意識はしなかったが、うまいこと打てた」。成長株を堂々と受け止め、力強くもぎ取った1勝に満足そうだった。【宮下敬至】
[2009年8月23日9時10分
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