<西武0-4楽天>◇27日◇西武ドーム

 楽天田中将大投手(20)が今季初の中5日で先発し、8回を4安打無失点、12奪三振で自己最多の12勝目を挙げた。打線は2回にフェルナンド・セギノール内野手(34)がソロ、8回には山崎武司内野手(40)が30号3ランを放って援護した。これで楽天は5カード連続の勝ち越しで、クライマックスシリーズ進出圏内の3位争いする西武を1・5ゲーム差と突き放した。西武は2試合連続の完封負けで借金1となった。

 まだ行く気満々だった。8回を投げ4点リード。それでも田中の心は、まだマウンドに向いていた。「9回?

 当然(行きたい気持ちは)ありました」とサラリ言った。右ひじの状態が不安視される中で、登板2日前に決まった今季初の中5日先発。首脳陣も8回までと決めていた。だが「中5日?

 グラウンドに出れば関係ない」と、投げて当然とばかりの姿勢だった。

 先輩2人の汗を力に変えた。Aクラスを争う西武との直接対決3連戦。初戦は岩隈が10回を投げ、2戦目は永井が完封した。2人の姿を目に焼きつけ、「刺激?

 今日はそこが大きかったと思う」。気持ちはボールに乗り移った。この日最後の115球目で最速148キロをマークし「真っすぐがよかった」。マウンドでほえ、打者をねじ伏せる。持ち前の闘争心が倍増した。

 新たな「師」との出会いが壁を越えさせた。「よくないなあ、と思った時にベンチを見ると(投手コーチの)佐藤さんが目で合図したり、身ぶり手ぶりで教えてくれる。だからマウンドでも修正できる」。不安をすぐに解消できることが安定感につながった。

 教える側にとっても、これ以上ない教え子だ。佐藤コーチも「決して器用ではない。でも言ったことはすぐ吸収できる子」と目を細める。日本ハム時代にはダルビッシュを指導したベテランコーチは「下はよくなったけど、上体の使い方はまだまだだよ」。この日で自己最多の12勝。親子ほど年が離れた2人の二人三脚は、さらに高いレベルへ進んでいる。

 疲労も不安も吹き飛ばす力投でチームも連勝。球団初のクライマックスシリーズ進出へ、また1歩前進した。貯金も6月4日以来の2とし、野村監督も「上々の出来でしょ。ダブル上、トリプル上か?

 昨日の永井といい、今日のマー君といい、投手が頑張れば試合は壊れない」とご満悦だった。9月1日から再び西武との対決。田中は「相手も手を打ってくるだろうし、僕が何かをしないといけないかもしれない。負けていいゲームはないんで」と厳しい顔つきに戻った。残り37試合。チームの命運は頼れる右腕とともにある。【小松正明】

 [2009年8月28日9時24分

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