花巻東・菊池雄星投手(3年)のドラフト1位指名を決めている阪神が、外れ1位候補も高校生左腕3人に絞ったことが11日、明らかになった。今夏の甲子園に出場した智弁和歌山・岡田俊哉、敦賀気比・山田修義に、これまで高評価していた東海大望洋・真下(まっか)貴之を加えた左腕3人に絞り込んだ。16日に菊池側を担当スカウトが訪れ面談を行うが、競合必至の怪物を外しても将来性たっぷりの左腕を指名。能見、岩田に続く存在を掘り当て、サウスポー王国を目指す。

 20年に1人の逸材を逃しても、若き左腕を狙い続ける。阪神が今秋ドラフトの1位候補を高校生左腕3投手に絞り込んだことが分かった。岡田、真下、山田。いずれ劣らぬサウスポー3人を外れ1位候補に絞り込んだ。今週中にもスカウト会議を開いて「1位は左腕優先」の方向性を確認する。

 メジャー志向もある花巻東・菊池の元には、プロとの面談解禁初日の16日に担当スカウトが訪れる。既に菊池がメジャー挑戦を選んだ場合でも強行指名する方針が固まった。菊池の1位指名は揺るぎないが、問題はクジ引きだ。

 過去最大の競合も予想される菊池だが、反面、阪神はドラフト1位指名の抽選で10連敗中。今回は会議初参加となる真弓監督がクジ引きの大役を務める。幸運をつかめればいいが、外した際のシミュレーションは不可欠。そこで菊池と同じ「高校生左腕」という軸が定まった。

 岡田は智弁和歌山で、山田は敦賀気比のエースとして今夏の甲子園大会に出場した。真下は千葉大会で八千代東に延長戦の末に敗れたが、大会以前から球団関係者が「1位指名される実力を持っている」と高評価。早くから菊池の外れ1位候補に挙がっていた。

 阪神は今季、プロ5年目の能見が独り立ちしてチームトップの13勝を挙げた。下柳、岩田と先発型左腕で28勝、中継ぎを含めてもサウスポーで34勝をマークした(右腕で33勝)。バランスの取れた布陣だが、ファームで稼働した左腕は3年目、23歳の小嶋ただ1人で、次代を担う左腕補強が急がれている。

 南信男球団社長は今オフの補強全般について「まずはドラフトありき。ドラフトが固まってから外国人などの補強が進む」と説明している。来季のチーム編成を左右する国内トレード、FA戦略、新外国人の選定につながる第1歩。ドラフト最上位で若き左腕を逃さず獲得することから、来季のチーム作りが始まる。

 [2009年10月12日12時15分

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