中日チェン・ウェイン投手(24)が13日、来季の開幕投手に名乗りを挙げた。この日、中部国際空港から台湾に帰国。来年3月26日、広島との開幕戦(ナゴヤドーム)の先発について「やってみたい気持ちはある」と熱望した。プロ6年目の今季は8勝を挙げ、防御率1・54で最優秀防御率に輝くなど、飛躍の1年となった。自身初の開幕投手へ帰国後もトレーニングを欠かさず、心身充実のオフを過ごす。

 充実のシーズンを終え、笑顔で母国に凱旋(がいせん)帰国したチェンが、来季への熱い思いを打ち明けた。「開幕はやってみたい気持ちはあります。まだ来年のことだし、自分がそのレベルに達しているのか分からないけど、一度は投げてみたいと思ってます」。

 今季、開幕投手を務めた浅尾はシーズン途中からセットアッパーに戻り、来季も中継ぎを務めることが濃厚だ。最多勝の16勝を挙げた吉見を筆頭に、ライバルはいる。だがチェンは今季も、球宴後の後半戦開幕、CS第1ステージ初戦と、節目の試合を託されており、来季も開幕投手の重役を担う可能性は十分ある。実現すれば、中日の外国人では92年の郭源治以来、18年ぶり2人目の快挙となる。

 来年の開幕戦は3月26日、ナゴヤドームでの広島戦。今季は打線の援護がなく、対戦成績は、5試合で1勝1敗と勝ち星を重ねることはできなかった。だが対戦防御率も1・46と苦手意識はまったくない。

 今季は開幕から先発ローテに入り、左の柱として24試合に登板。8勝4敗の成績を挙げた。だが、5月末に左肩を痛め、約1カ月を棒に振ったことが心残りだという。「6月の1カ月間、投げられなかったのが残念。今年はCSでも悔しい思いをしたし、来年こそ巨人を倒して優勝したい」。来年こそ打倒巨人を実現させたい思いでいっぱいだ。

 台湾では自主トレを続け、今年8月の台風8号で被害を受けた被災者たちに義援金を送るチャリティーマッチ(日時未定)に出場予定。その後は契約更改交渉などのため、月末に再来日する。「来年は1年間、休むことなく投げ続けたい」。開幕からのフル稼働を力強く誓った。【福岡吉央】

 [2009年11月14日10時35分

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