日本ハム梨田昌孝監督(56)が来季、林昌範投手(26)の先発転向を検討していることが15日、分かった。今季は貴重な中継ぎとして起用していたが、来季は配置転換を視野に入れ、春季キャンプからテストする方針を固めた。FA宣言して退団が確実な藤井の穴を埋める先発左腕として、ローテーションを任せる構想を練っている。

 手薄な先発陣を改革するため、大胆な選手登用を画策していた。梨田監督は現在、オフを過ごしているが、すでに周囲へは林の先発プランを明かしている。球団幹部は「監督はそう考えているようで、まずは先発という方向性になるんじゃないか」と話した。今後、来年1月のスタッフ会議などを経て最終決定し、林へ伝えられる見込みだ。

 2年ぶりリーグ優勝という快挙の陰に隠れてしまったが、先発投手の駒不足は深刻だった。ダルビッシュと武田勝、八木の軸に追随する選手の台頭がなく、シーズン終盤にはダルビッシュの故障離脱で、さらに苦しい台所事情に拍車がかかった。糸数の急成長はあったが、吉川ら期待の若手も伸び悩んだ。好調な打線でカバーしたが、本来目指している投手中心に守り勝つ野球で、基盤となる先発を固め切れなかった。

 今季限りで藤井のほか、スウィーニーの退団も決定的。ローテーション投手2人を欠くことになるだけに、投手に重点を置き、獲得を目指して調査している新外国人に加え、巨人時代に先発経験がある林にも、白羽の矢を立てた形だ。あと1歩で手が届かなかった日本一を奪回するために、早くも梨田監督が水面下で動きだしている。

 [2009年11月16日9時41分

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