来季のテーマは「レギュラー奪回」だ。完全復活を目指す広島前田智徳外野手(38)が11月30日、広島市内での野球教室に参加したあと、廿日市市内の大野練習場で精力的に自主トレを行った。野村謙二郎監督(43)の下でプレーするが「厳しくなるが対応して、みんなで頑張りたい」と意欲的だ。同監督もこの日、「まだまだできる」と話すなど、来季のレギュラー候補に挙げ、来年2月の沖縄1軍キャンプに帯同させる方針も示した。

 小学校の校舎を出た前田智が向かった先は大野練習場だった。引き揚げ際には「野球をしているのが不思議なくらい。迷惑をかけないよう頑張りたい」と話した。通算2071本安打のベテランにもオフはない。野球人生の岐路となる来季に向けて、体を動かすだけだ。

 過去に両足アキレスけんを手術するなど、下半身に不安を抱えており、今季はプロ20年目で初めて1、2軍通して実戦出場できなかった。来季は真価が問われるが、起用法はベテランの役割として一般的な「代打の切り札」にとどまらない。この日、マツダスタジアムを訪れた野村監督が起用構想を説明した。

 野村監督

 (レギュラー起用の可能性について)状態にもよるし、1年間試合に出ていないわけだから。技術的にはあれだけの打者で文句のつけようがない。技術だけでなく、精神的なものもあると思う。そのへんをしっかりコントロールしていけば、まだまだ(スタメンで)できると思う。

 指揮官の現役時代、ともに主力としてプレーしており、前田智の抜きんでた実力を評価。監督就任当初にも「横一線(の競争)ではない」と話しており、体の状態が万全なら、レギュラーの筆頭候補に浮上する。先発復帰への判断材料になるのは「走れる足」だ。前田智も10月中旬に「もう1度、走れるようになりたい」と話しており、オフの課題に挙げる。この日も大野練習場で、ランニングや軽いダッシュを実施。メドについて「うかつに言えない状況。まだまだです」と慎重だが、歩みは止めない。

 トレーニングを順調に行えば、来年2月の春季キャンプは2年連続で沖縄スタートが濃厚だ。野村監督も「(調整について)僕が言うより彼が分かっていること。普通なら沖縄に行くようになると思います」と話した。キャンプインに、走れる状態に仕上げることがまずは目標になりそうだ。

 この日午前中は、広島市内の真亀小で野球教室に参加。小学生の前でマイクを握り、決意も語った。

 前田智

 自分は野村監督と一緒にプレーしている。何年もやっているので、まだ何となく監督というか(選手というか)半分半分で、なかなかなじめないというか…(苦笑い)。来年のキャンプになれば変わってくる。厳しい選手だったが、監督になっても、厳しくなる。それに対応して、みんなで頑張っていきたい。

 卓越した打撃技術はカープの宝だ。野村監督を支えるためにも、いまはひたすら土台作りに専念する。【酒井俊作】

 [2009年12月1日9時0分

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